割安株とは
これは企業の実力以上に市場の評価が低い銘柄のことになります。
本来の正当な評価を得ていない場合は、今後の株価上昇が見込まれるるので注目されるんです。
こうした割安株を狙っていくスタイルがバリュー投資と言われます。
代表的な指標はPERとPBRと言われているもので、これについて見ていきましょう。
PERの見方と使い方
PERというのは企業の株価と利益の関係性を見て、割安かどうかを判断するためのものになります。
PER(株価収益率)は
株価÷1株あたり利益
または
時価総額÷純利益で計算できます。
つまり株価と利益の関係性です。
今の利益を何年続けると会社の時価総額(会社の価値)になるのか?というものです。
例えばPERが10倍の会社に100万円の投資をした場合、100万円のもとを取るのに10年で償却できるということを表しています。ですが実際には投資してもそんなに株主に利益の配当はなく、次の研究や設備投資にお金を回します。
PERが100倍を超える会社もありますが、100倍というのは今の会社の利益から計算したものです。今後利益が増えていけばPERは下がります。
上の式からわかる通り、株価が上がるとPERは上がり、利益が上がるとPERは下がります。
ここで大事になるのは株価が下がったから割安ではないということです。
例として日産の株価を見てみましょう。
参照元:株探
2013年3月の終値は905円
2014年3月の終値は920円
2015年3月の終値は1224円
2016年3月の終値は1041円
参照元:株探
上の表から見てもらうとわかりますが、2013年の905円から2015年の1224円に株価が上がったら割高になったのか?というと、PERでは・・・
905÷81.4=11.11
1224÷109.2=11.2
とほぼ変わっていません。
当然この逆パターンもあって、株価が下がってもPERは変わっていないということもあります。
つまり株価の上下だけで割高とか割安とかの判断はできないということです。
PERがどのくらいだと割安なのか?
ではPERがどのくらいだと割安なんでしょう?
東京証券取引所の市場平均では16倍くらいなので、一般的には10~20倍程度を目安に考えるといいでしょう。
ただ、実際にはその会社の
・業種
・ライバル企業
・過去の水準
と比較しながら判断していくのが賢明です。。
いくらPERで割安だと思っても、業界平均よりなぜか低いとか、過去もずっと低いという場合は、今後も上がりにくい銘柄だと考えられます。割安ならいいってものでもないんです。
基本的にはPERが低いほど割安とは言えますが、高ければ投資家の人気が高いとも言えます。
PER100倍の銘柄というのは今の利益を100年間続けてはじめて会社の時価総額
また、市場全体の流れを見ることも判断材料になります。
例えばトランプ大統領が当選した時や、イギリスのEU離脱の国民投票の時のように市場全体が落ち込むような場合もありますので、単純にPER数値だけで判断せずに市場全体を見ておくことも必要です。
では次にPBRを見てみましょう。
PBRの見方と使い方
企業の評価というのは資産を多く持っているかどうかで変わってきます。
資産が多くあれば世の中の荒波にも耐えていきやすいし、経営が安定しやすいですよね。
PBR(株価純資産倍率)は
株価÷1株あたり純資産
で計算されます。
つまり株価と純資産との関係です。
純資産について触れておきましょう。
会社が解散した時、持ち株数に応じて残された会社の資産を分けてもらう権利があるんです。
この対象となるのが純資産。
つまり株主に返す資産といえます。
1株あたり純資産のことを解散価値というのはこのためです。
PBRは1倍が基準になっています。
通常は株価が解散価値よりも高い水準で取引されるのでPBRは1倍以上になっているんですが、中には1倍未満の銘柄もあります。
1倍未満ということはその時点で会社が解散すると株主は買った値段にプラスして資産を配分してもらえることになりますから、あまり長いことPBRが1倍未満だと買収対象になったりもするおそれもあります。
PBRはどのくらいだと割安なのか?
低いに越したことはないのですが、2倍以下くらいでまずは絞ってみてもいいでしょう。
ただ、これもPERと同じようにただ低ければいいというものでもありません。
今の資産はあっても、赤字が続いていてこのままでは資産を食いつぶしていく一方だという場合もあります。
ですからPBRが低いものを絞り込んだら会社の業績の流れや取り組みなどを見ていく必要があるんです。
また、PERのところでも書いたように市場全体、業種内、ライバル企業などと比較したりすることも大事です。
PER、PBRが低い割安株を絞り込むには?
ヤフーファイナンスなどでPERが低い順に並べたりすることもできますが、やはり四季報オンラインのようにPERとPBRなど同時に2つ以上の条件を設定して絞り込めるようなツールを使ったほうが早くて便利です。
四季報の場合は過去の業績や、この会社がどんな会社か、業種、ライバル会社なども見れるからとても使いやすいんですが、証券会社などのツールで自分の見やすいものであれば問題ありません。
例えば1911住友林業のページだと
参照元:四季報オンライン
こんな感じでライバル、業界比較が見やすくなっています。
割安株を買うタイミングは?
割安株を仕込むタイミングとしては何かの要因で市場全体が大きく下落した時が最もいいでしょう。
誰かの発言なのか、選挙なのか、テロなのか、要因は色々とあると思いますが、年に2、3回くらいは大きく下がるタイミングが来ますからそんな時に落ち着いて仕込めれば投資効果は高くなります。
まとめ
PERとPBRの低い銘柄を探して、市場全体、業界、ライバルなどと比較し、さらに個別の業績などを確認することでお宝銘柄を探してみましょう。
そして暴落時などに落ち着いて仕込んでみましょう!

なぜ今、総理がこんな発言をするのか?トランプさんやプーチンさんの動きにはどういう意味があるのか?そしてその動きをもとに我々投資家はどのように先回りすればよいのか?
私はこのレポートを読むようになってから劇的にニュースを見る目や相場を見る目が変わりました。
どんなものかはこちらの記事を参考に見てみて下さいね↓
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